日本安売り

 この国には、国民には愛国心を唱えながら、自らは外国に日本の資産を安売りした売国奴が正に存在した。もう忘れていたが、最近の「かんぽの宿」問題で思い出したので記録として残す。

 1月31日朝日新聞夕刊。『評価額1万円「かんぽの宿」6000万円で転売』の記事。「旧日本郵政公社が07年に一括売却し、東京の不動産会社が1万円で入手した鳥取県岩美町の旧「かんぽの宿 鳥取岩井」が、直後に6千万円で鳥取市内の医療法人が同町内に設立した社会福祉法人に転売されていたことがわかった。」 敷地が13000平方メートルもあって、6000万円で購入した医療法人は安いと考えていたのである。それを1万円で売却するとは何事か

 そもそも「かんぽの宿」は、誰の金で作ったのか?税金か?簡易保険の金か?どちらにしても国民の金であろう。それを誰も責任を取らずに安売りする体質。

 1月30日付朝日新聞。『迷走かんぽの宿 土地・建物2400億円→109億円』の記事。オリックス不動産へ一括売却が決まっていたのを鳩山総務相が下記点を問題視した。
 @売却価格が安すぎる。資産をどう評価したのか不明。
 A宮内義彦・オリックス会長は郵政民営化の議論に関係しており、「出来レース」と受け取られる。
 B赤字事業とはいえ、景気後退時に安い価格で急いで売る必要はない。
 C全施設を一括売却する必要はない。地方再生のため、地域ごとに売っても問題ない。

 これは郵政民営化反対派の巻き返しなのかもしれないが、理にかなった指摘も含まれている。国民の資産を出来るだけ高値で売却するのは当然である。

 さて、以上は国内問題だからまだ許せる。以下の話は、日本をアメリカに売った話である。
 神谷秀樹著「強欲資本主義ウォール街の自爆」文春新書を読んだ。具体的に小泉−竹中がどんな出鱈目なことをしたのか、具体的に確認すると本当に腹が立つ。

 138ページ「納税者を人質にするのが上手」から見てみよう。太字は私が付けたものである。
 『かつて、巨額の不良債権を抱えて経営破綻した日本長期信用銀行(現新生銀行)は国有化され、公的資金を投入して健康な体に戻して、リップルウッド・ホールディングス(現RHJインターナショナル)に十億円で売却された。長銀には総額で八兆円近い公的資金が投入され、このうち、三兆円以上が戻らずに国民負担となった。
 また、リップルウッドに売却された際に「瑕疵担保条項」という契約が盛り込まれていた。将来、長銀が持つ債権が不良債権となった場合には、無条件で国が引き取ることにもなっていた。国が引き取るといっても、お金は国民の税金から支払われる。「ババ」を自動的に納税者に回すあざといシステムで、「この条項がなければ買えない」と相手は主張したという。
 リップルウッドは、このシステムをフル活用した。国はこの「ババ」を買い取るために、新たに八千八百億円を税金で支払っている
 ババをさんざん納税者に押し付けたあと、リップルウッドは二〇〇四年に新生銀行を再上場させ、二千二百億円以上の利益を得た。リップルウッドが新生銀行を再上場させるまでに投じた資金は千二百億円強。投資としては大成功だ。
 しかも、日本にまったく税金を支払わずに、利益を持ち帰ったのである。』

 八兆円の公的資金を投入した会社をなぜアメリカの会社に十億円で売る必要があるのか

 178ページ「ウォール街に搾取された」に小泉−竹中の本質が書かれている。
 『ウォール街の投資銀行や、その出身者たちが、運用する不動産ファンドや企業買収ファンドが日本で巨額の収益を上げることができるようになったのは、バブル崩壊後である。それにはいくつかの根本的な理由があった。
 まず日米ともにゆるゆるといっていいほどに金融は緩和された状態であり、低金利の資金が市場にジャブジャブに放出されており、超過剰流動性が存在していたことである。次に日本政府(小泉−竹中政権)が、すべての損を日本の納税者に押し付け、利益はそっくりそのまま彼らが持っていけるような方針をとった。』

 正に小泉−竹中は、日本をアメリカに売り飛ばしていたのである。
 そもそも日本はアメリカから独立しておらず、アメリカからの指示で日本の政治が行われているその指示は、毎年、年次改革要望書という形で出される小泉−竹中が改革といっていたものも、日本人による日本国家のための改革ではなく、アメリカの指示によるアメリカの利益のための改革なのである。

 郵政民営化も悪名高いホワイトカラーエグゼンプションも年次改革要望書によってアメリカから強力に指示されていたのである。小泉は、昔から郵政民営化を唱えていたと言い訳をするが、実際に行ったことは、アメリカの欲するままのことを忠実に実行しただけなのである。そもそもほとんど独立採算状態にあった郵政業務を民営化する必要性など全くなかった。

 何ら独自の国家観も人生観も持たずにただ、アメリカの言いなりの政治を行う売国自民党
 ブータン王国の王様の爪の垢でも煎じて飲んだらどうか!

(2009年2月1日 記)

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